2016国際児童青少年舞台芸術デー メッセージ ふじたあさや

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日本センター会長で世界理事副会長のふじたあさやによるメッセージです。

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「正解なんてないのが演劇の素晴らしさ」

日本では(日本ばかりではないはずですが)、子どもは激しい競争社会に置かれています。人間の持っている力のうち、点数で評価できるものなど、ほんのわずかでしかないのに、あたかも点数だけがその人を評価する唯一の基準ででもあるかのような思い違いを、ほとんどの人がしていて、そのために素晴らしい能力を持ちながら落ちこぼれていく子どもが、沢山生まれています。

演劇には正解はありません。一人一人が自分の持てる力を生き生きと発揮できればそれでいいのです。自分の中に役を見つけ、役の中に自分を見つける作業を通じて、他人の身になれるようになります。当然その体験は一人ひとり違います。10人いれば10通りの表現があるのです。それは点数のつけようのないものです。ですから演劇に点数はありません。点数で有頂天になったり、落ち込んだりすることもありません。だから演劇は人を育てます。

その素晴らしい演劇を、子どもたちに是非とも体験してもらいたい、そのために演劇に触れあってもらいたいと思います。彼らは演劇を見て、登場人物を自分と同じだと思ったり、自分だったらどうするだろうと考えたり、ハラハラドキドキするのです。観終わった時、子どもの中には、他人の身になれる自分が育っています。

お父さんお母さんに――激しい競争社会の中で、そこだけは、子どもが伸び伸びと育つ場所=劇場に、今日からあなたのお子さんを連れて行きましょう。

学校の先生方に――日本が世界に誇る学校における演劇教室が、減りつつあるという現状に、何とか歯止めをかけて、学校の中の劇場を守ってください。

そして君たち子どもたち、チャンスがあったらお父さんお母さんにねだって、演劇に親しんでください。

今日は世界中の子どものための劇場が、同じことを考える日です。今日は日本から始まります。世界に先駆けてこのことをしっかりと考えることにしましょう。

2016年3月20日

アシテジ日本センター会長
ふじたあさや